STマイクロエレクトロニクスは、ポイントツーポイント近接無線トランシーバーIC「ST60A3H0」「ST60A3H1」を発表した。60GHzのVバンドで動作し、eUSB2、I2C、SPI、UART、GPIOのトンネリング機能を提供する。
STマイクロエレクトロニクスは2024年2月、ポイントツーポイント(Point to Point)近接無線トランシーバーIC「ST60A3H0」「ST60A3H1」を発表した。既に量産中で、サンプルも提供している。単価は約5.00米ドル(約750円)となる。
60GHzのVバンドで動作し、eUSB2、I2C、SPI、UART、GPIOのトンネリング機能を提供する。消費電力は、eUSB受信および送信モードで130mW、UARTやGPIO、I2Cモードでは90mW、シャットダウンモードでは23μWとなる。USB 2.0 High-Speed規格に相当する最大480Mビット/秒(Mbps)でデータ交換ができ、有線接続と同等のスピードと低レイテンシを可能にした。
安全なガルバニック絶縁が可能で、粉じんや湿気などが多い劣悪な環境でも使用できる。機械的な摩耗が発生せず、回転数による寿命の制限がないため、スリップリングよりも信頼性が高い。
ソフトウェアドライバーやプロトコルスタックのインストールを必要とせず、簡単に使用できる。FOTA(Firmware Over-The-Air)アップデートなどにより、製造中や販売後に製品テストやデバッグをコンタクトレスで高速かつ効率的に実行できる。
ST60A3H1は、アンテナを内蔵し、3×4mmのVFBGAパッケージで供給する。ST60A3H0は、外部アンテナを接続する設計となっていて、2.2×2.6mmのVFBGAパッケージで提供する。
両製品により、デジタルカメラなどのパーソナル電子機器でケーブルやコネクターが不要になる。また、ロボットアームのような可動装置や、回転機構を持つレーダーやLiDARなどの機械、計器にも適している。
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