ローデ・シュワルツのレーダー/衛星通信向けのスペクトラムアナライザ「R&S FSW」シリーズに、測定周波数が67GHzの品種が登場した。外部ミキサを使用せずに67GHzまで測定が可能だ。
ローデ・シュワルツ・ジャパンは、「マイクロウェーブ展2013」(2013年11月27〜29日、パシフィコ横浜)において、2013年10月に発表したばかりのスペクトラムアナライザ「R&S FSW67」を展示した。FSW67は、変調解析機能を備えるハイエンドスペクトラムアナライザ(スペアナ)「FSWシリーズ」の最新機種で、周波数範囲は2Hz〜67GHzである。本体価格は1427万1000円(税抜き)で、年間10台の販売を見込んでいる。
FSW67は、外部ミキサを使用せずに67GHzまで測定できるので、ケーブルの接続は不要だ。内蔵プリアンプが67GHzまで対応しているので、雑音指数測定が正確にできるという。SSB(Single Sideband)位相雑音は、測定周波数1GHzの10kHzオフセット時で−137dBc/Hz、同60GHzの10kHzオフセット時で−112dBc/Hzを実現している。DANL(表示平均雑音レベル)は、2GHzにおいて−169dBm/Hz、60GHzにおいて−152dBm/Hzである(いずれもプリアンプ使用時)。
さらに、320MHzという広い解析帯域幅を備えていることも特徴となっている。従来、こうした広帯域信号は、ダウンコンバータとオシロスコープを組み合わせて評価することが一般的だった。だが、測定システムが複雑になり、十分なダイナミックレンジが得られないといった問題があったという。リアルタイム解析は最大160MHzの解析帯域幅となる。
ローデ・シュワルツは、レーダー/衛星通信向けのパルス解析ソフトウェアも強化した。パルス信号について、パワーの他、時間に対する周波数変化、振幅の変化など複数の視点で幅広い解析が可能だ。各パルスの立ち上がり時間、パルス幅、周波数など詳細な解析もFSWの画面上で確認できる。「ここまで細かいパルス解析をスペアナ本体の画面上で行える機種はあまりない。捕捉した信号データをPCに移してから詳細を解析するというのが一般的だった」(ローデ・シュワルツ)。なお、パルス解析用のソフトウェアはオプションとなる。
同社の担当者は、「FSW67によって、IEEE 802.11adなどの通信規格のテストが非常に簡単になる」と述べている。
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