DoE規制に対応した1次側制御スイッチング電源用IC : パワー・インテグレーションズ LinkSwitch-4ファミリー
パワー・インテグレーションズは、CV/CC1次側制御スイッチング電源用ICの「LinkSwitch-4ファミリー」を発表した。適応型エミッタ・スイッチ・ドライブ技術により、電力変換効率を大幅に改善した。
パワー・インテグレーションズ(POWI)は2015年1月、CV/CC1次側制御(PSR)スイッチング電源用ICの「LinkSwitch-4ファミリー」を発表した。米エネルギー省(DoE)と欧州行動規範(CoC)の効率規制に適合し、スマートフォンやポータブル・オーディオ機器の充電器などの用途に対応する。
LinkSwitch-4は、バイポーラ・トランジスタ・スイッチ(BJT)用の高度な適応型エミッタ・スイッチ・ドライブ技術を採用し、電力変換効率を大幅に改善した。また、BJTに伴う2次ブレークダウンを解消する他、電流増幅率の変動に対する影響も軽減し、低コストのBJTを安全に使用できる。
さらに、疑似共振スイッチング回路に基づくマルチモードのPWM/PFMコントローラーを組み込むことで、230V AC入力時に30mW未満の無負荷時待機電力を可能にした。動作周波数は最大65kHzで、最小ピーク電流を固定することで負荷過渡応答を改善している。
新製品のイメージ
パッケージはSOT-23-6およびSO-8で、1万個ロット時の単価は0.16〜0.25米ドル。1.5〜2Aの高電流スマートフォン充電器にも対応し、2次側にショットキー・ダイオードを使用することで、新たなDoE規制であるDoE-6の要件を超える性能を備えた。
AC-DC電源の設計ポイント
スイッチング方式のAC-DC電源は、旧来型のリニア方式では得られない高い効率を実現するものとして急速に普及した。しかし、スイッチング方式は、従来は存在しなかった新たな課題ももたらした。結果として、AC-DC電源の設計は、従来よりもはるかに複雑なものとなった。では、その課題とはどのようなもので、それを解決するためには、どのような工夫を盛り込む必要があるのだろうか。
AC-DC電源設計の秘訣
電源の設計において、機能/動作の仕様を満たすようにするのは当然のことである。しかし、満たすべき事柄はそれだけではない。EMC性能や安全性などに関する国際規格に従いつつ、さらに高効率化、小型化の要求にも応えなければならない。本稿では、電源の基本性能を犠牲にすることなく、そうした要求に応える方法を紹介する。
タイマーIC を使ったスイッチング電源
スイッチング電源の多くは、電圧帰還によって出力を安定化するPWM(パルス幅変調)制御方式を採用している。タイマーICを用いれば、PWM制御回路を安価に実現できる。
スイッチング電源の焼損
スイッチング電源は、変換効率の高さから従来のシリーズ電源を置き換えた画期的な電源だ。だが、登場した当初は安全性に課題が残る製品も多かった。例えば、焼損である。どうやってこの問題を解決したのだろうか。
フォトカプラ不要のAC/DCコンバータIC、中国CQCなどに準拠
Power IntegrationsのAC/DCコンバータIC「InnoSwitch」は、2次側から1次側にフィードバックに、新しく開発した「FluxLink」を採用している。磁束を利用してフィードバック情報を送るもので、フォトカプラが不要になる。
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