ルネサス エレクトロニクスの「RL78/F15」は、消費電力が小さい16ビットマイコンである。BCM(ボディ制御モジュール)や車載エアコン、パワーシートといった車載制御システムの用途に向ける。
ルネサス エレクトロニクスは2015年10月、消費電力が小さい16ビットマイコン「RL78/F15」を開発した。新製品は36品種を用意し、順次サンプル出荷を始める。BCM(ボディ制御モジュール)や車載エアコン、パワーシートなど車載制御システムの用途に向ける。
RL78/F15は、同社マイコン「RL78ファミリ」の車載向け製品「RL78/F13」及び「RL78/F14」と同一のCPUコアを搭載した完全互換の高性能製品と位置付ける。RL78/F15には端子数が48端子、64端子、80端子、100端子の他、144端子のパッケージ製品も新たに追加した。また、内蔵するフラッシュメモリの容量として最大512kバイト品も用意している。内蔵RAMの容量は最大32kバイトである。
搭載するI/O数は38〜130本、A-Dコンバータは10ビット分解能で最大31チャネルの入力に対応することができる。また、CANは2チャネル分搭載しているため、制御用と診断用にそれぞれ独立してCAN通信を行うことが可能である。この他、ハードウェアLINを最大3チャネル分、さらにはIE BUSにも対応するなど、車載制御システムに必要となるさまざまな機能を集積している。
RL78/F15を新たに追加したことで、同社の車載制御向け16ビットマイコン製品群は、従来製品のRL78/F13及びRL78/F14を含めて、合計で127品種となった。これらの製品は完全互換性がある。システム設計の途中でECUの機能強化、仕様変更に伴うメモリ容量やI/O端子数の不足などが生じても、ソフトウェアの移植が容易なことから、製品ファミリの中で柔軟かつ迅速に対応することが可能である。
RL78/F15は、2016年7月より量産を始める予定である。サンプル価格(税別)は、48端子で内蔵フラッシュメモリの容量が512kバイト品の場合、700円となっている。
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