直流抵抗120mΩのメタルアロイ型パワーインダクター : 村田製作所 DFE18SBN_E0
村田製作所は、従来製品に比べて直流抵抗を低減した、メタルアロイ型のパワーインダクター「DFE18SBN_E0」シリーズを発表した。定格電流は2.3Aで、直流抵抗は120mΩとなる。
村田製作所は2017年9月、従来製品に比べて直流抵抗を低減した、メタルアロイ型のパワーインダクター「DFE18SBN_E0」シリーズを発表した。現在量産中で、小型化、高密度化、高機能化が進むスマートフォンなどモバイル機器の電源での用途を見込む。
メタルアロイパワーインダクターは、金属粉(メタル)を使った磁性材料「メタルアロイ」と巻線を一体成型し、電極を形成した構造を採用。大電流に対応し、優れた耐磁気飽和特性と温度特性を備えている。
メタルアロイパワーインダクター「DFE18SBN_E0」シリーズ
DFE18SBN_E0シリーズでは、金属磁性材料に独自の改善を施し、従来製品の「DFE18SA」シリーズに比べて直流抵抗を低く抑えた。DFE18SAシリーズの定格電流2.0A、直流抵抗144mΩに対し、DFE18SBN_E0シリーズは定格電流2.3A、直流抵抗120mΩに低減している。
1.6×0.8×0.8mmの1608サイズで、メタルアロイ型としては世界最小サイズになるという(同社)。絶対最大電圧は20V、使用温度範囲(自己温度上昇含む)は−40〜125℃となっている。
160808サイズのメタルアロイパワーインダクタ、東光と村田製作所が共同開発
東光と村田製作所が共同開発した「DFES」は、160808サイズの小型低背メタルアロイパワーインダクタである。スマートフォンやウェアラブル機器などの電源回路に向ける。
直流重畳特性に優れた材料を使用したインダクタ
太陽誘電は、スマートフォンやウェアラブル端末などのデジタル機器の電源回路向けチョークコイル用途として、メタル巻線チップパワーインダクタ「MCOIL ME」シリーズを発表した。
直流抵抗を約30%低減した電源回路用インダクター
TDKは、低損失で大電流化を実現した電源回路用薄膜インダクター「TFM160808ALCシリーズ」を開発した。新しい金属磁性材料と、独自の薄膜パターン技術を採用したことで、0.47μHの従来品と比較して直流抵抗を約30%低減。2017年1月から量産を開始している。
150℃まで動作保証した車載向け薄膜インダクター
TDKは、車載用電源系薄膜インダクター「TFM201610ALMA(インダクタンス値2.2uH)」シリーズを開発したと発表した。動作温度保証範囲は−55〜150℃を実現し、ECU(Electronic Control Unit)に求められる高温環境化での使用に耐えることができるという。
実装面積を約1/2に縮小した高周波インダクター
村田製作所は、0.25×0.125mmのインダクター「LQP01HQ」シリーズを発表した。0.4×0.2mmサイズの「LQP02TN」シリーズと同等のQ特性を持ちながら、実装面積を約2分の1に縮小した。
基礎から見直すコイル/トランス
コイルやトランスは、スイッチモード電源などの設計において非常に重要な位置を占める。こうした磁性部品を正しく理解するには、磁気学の知識が必要不可欠だ。しかし現在では、理工系の大学であっても、磁気学に関して実用的なレベルでの指導が十分に行われていないと言われている。本稿では、磁気学の基礎と、コイルやトランスの設計/選択に必要な知識についてひととおり述べる。その上で、スイッチモード電源向けの選択にあたって考慮すべき点を説明する。
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