宇宙仕様向け耐放射線クアッド電源シーケンサー:インターシル ISL70321SEH、ISL73321SEH
インターシルは、高性能FPGAや複雑なマルチレール電源システム向けのPOLレギュレーターを駆動する、耐放射線クアッド電源シーケンサー「ISL70321SEH」「ISL73321SEH」を発表した。
インターシルは2017年11月、高性能FPGAや複雑なマルチレール電源システム向けのPOLレギュレーターを駆動する、耐放射線クアッド電源シーケンサー「ISL70321SEH」「ISL73321SEH」を発表した。同社によると、シングルイベント効果(SEE)軽減テストと放射線保証テストにより性能が裏付けられた、初の宇宙仕様向けシーケンサーになるという。
耐放射線クアッド電源シーケンサー「ISL70321SEH」「ISL73321SEH」
単体で最大4個の電源のシーケンシングが可能で、複数個をカスケード接続すれば無限数の電源をシーケンシングできる。動作電圧は3〜13.2V。入力スレッショルド電圧が600mV±1.5%(全温度、電源、放射線範囲)の入力コンパレーターを内蔵し、高精度な電圧監視と信頼性の高いシステム動作を可能にしている。また、7つの異なる故障条件を監視し、包括的な故障検出機能を備えた。
ISL70321SEHは100krad(Si)の高線量率と75krad(Si)の低線量率、ISL73321SEHは75krad(Si)の低線量率で放射線保証テストを完了している。周囲温度は−55〜125℃、ジャンクション温度(TJ)は−55〜150℃。内部リニアバイアスレギュレーターの駆動能力は45mAで、設計時にこのピンへのイネーブルプルアップ抵抗の接続が可能。これにより、外付けバイアス電圧が不要になった。
必要な外付け部品は、電圧監視向けに電源1個あたり抵抗2個、立ち上がりと立ち下がり遅延のプログラミング向けに抵抗1個のみとなる。10×12mmの18ピンCDFPパッケージまたはダイの形で供給され、既に出荷を開始している。
- 衛星向けデコーダーを内蔵した耐放射線ドライバー
インターシルは2017年2月、衛星向けデコーダーを内蔵したシングルチップ耐放射線32チャンネルドライバーを発表した。衛星コマンド、テレメトリーソリューションのサイズを半減するという。
- POL向け12V同期整流降圧レギュレーター
ルネサスエレクトロニクスの子会社であるインターシルは、POL向けの12V同期整流降圧レギュレーター「ISL850xx」ファミリーに、出力電流14A、12A、9A、5Aタイプを追加した。出力電圧は最小0.6V、入力電圧は3.8〜18Vとなっている。
- DDR4 NVDIMM向けの高集積パワーマネジメントIC
IDTは2017年1月、DDR4 NVDIMMアプリケーション向けの高集積パワーマネジメントIC「P8800」を発表した。従来のカスタムディスクリート実装の機能を1チップに集積している。
- 放射線耐性を強化した終端リニアレギュレーター
日本テキサス・インスツルメンツは2016年7月、航空宇宙アプリケーション向けに、DDRメモリ用終端リニアレギュレーター「TPS7H3301-SP」を発表した。シンク、ソース終端用の電力用モノリシックFET2個と、内部電圧レファレンスを集積しているという。
- 電源システムハードウェアのソフトマネジメント
プロセッサの電源電圧が1V未満になるなど電源システム設計はより複雑で高度になっている。そうした電源システム設計をより簡便にするデジタルマネジメント技術が登場しているが、出力精度などはアナログマネジメント技術に劣る。そうした中で、デジタル/アナログ双方の長所を生かしたパワーマネジメント技術に注目が集まっている。
- コンバーターの回路方式
今回の記事では、同期式と非同期式の違いの他、2段式やマルチフェーズといったコンバーターの回路方式について説明する。
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