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遮光特性を有する車載用黒色調光フィルム凸版印刷 LC MAGIC ノーマルブラック

凸版印刷は、遮光特性を有する車載用の黒色調光フィルムを開発した。自動車のリアサイドガラスに組み込むことで、電源オフ時に可視光線透過率5%の黒色となり、車外からののぞき見を防止できる。

» 2023年01月13日 09時00分 公開
[EDN Japan]

 凸版印刷は2022年12月、遮光特性を有する車載用の黒色調光フィルムを開発したと発表した。液晶調光フィルム「LC MAGIC(エルシーマジック)」の新製品で、電源オフ時に可視光線透過率が5%の黒色となる「ノーマルブラック」を提供する。

液晶調光フィルム「LC MAGIC ノーマルブラック」の使用イメージ。(左)電源オン時、(右)電源オフ時 液晶調光フィルム「LC MAGIC ノーマルブラック」の使用イメージ。(左)電源オン時、(右)電源オフ時 出所:凸版印刷

 同社は、透明と不透明をスイッチで切り替えられる液晶調光フィルムとして、LC MAGICの「ノーマルホワイト」(電源オン時透明、オフ時白濁色)と「リバースホワイト」(電源オン時白濁色、オフ時透明)を提供している。厚み約0.4mmでガラスへの貼り付けが容易であること、フィルム内で液晶が動かない構造のため、ハサミなどで好きな形にカットできる。

電源オフ時に車外からののぞき見を防止

 ノーマルブラックの透けない黒色は、色素を層構造内にランダムに配置することで可能になった。例えば、ノーマルブラックを自動車のリアサイドガラスに組み込むと、電源オフの時に車外から内部の様子が見えなくなる。また、サンルーフに使用すると、晴天時に頭上からの光を遮ることができる。

液晶調光フィルム「LC MAGIC」の構造図 液晶調光フィルム「LC MAGIC」の構造図 出所:凸版印刷

 電源オン時には、あらかじめ設定した向きに色素が整列し、可視光線を最大で43%透過させる。同社によると、一般的な乗用車の標準仕様であるリアガラスの透過率と同レベルで、車内の人物を車外から視認できる程度の明るさとなる。

 同社独自のUVカット機能を有する層構造や材料を採用しており、屋外で長時間用いても変色せず、電源オフ時の可視光線透過率に影響しない。

 同社は今後、2023年度末までにノーマルブラックの量産化技術を確立し、2024年度より量産およびサンプル出荷を開始する。2025年度までに、液晶調光フィルム事業全体で約30億円の売上を目指す。

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