TureTouch Gen5の第2弾製品となるTMA568は、第1弾製品よりも、大型の最大8.3インチディスプレイにも対応する製品で、センスI/Oを最大58個備える。8.3インチのディスプレイに適用した場合、5mmピッチの細かなセンシングが可能になる。さらにこのTMA568を5.3インチサイズのディスプレイに適用すれば、3.2mmピッチという極めて細かな間隔で詳細なセンシングが可能になる。そのため、ペン先が直径2mmという細く、鋭いスタイラスでの入力が行え、「画数の多い複雑な漢字も、スタイラスで入力できる」(TureTouchマーケティング担当シニアマネージャーのジャガディッシュ・クマラン氏)とし、TureTouch Gen5では初のスタイラス入力対応製品として出荷する。
スタイラス入力機能の追加に合わせて、意図せず、手のひらがタッチセンサーに触れても検出しない「パームリダクション機能」も搭載。さらに、スタイラス入力と通常の指入力を自動で判別しモードを切り替える機能も、コントローラICに実装した。
TureTouchシリーズの特徴である防水性能も高く、水と指の判別機能、ぬれた指の検出機能、水分を拭いた後にすぐにリセットを行うリキャリブレーション機能なども搭載している。
クマラン氏は、「TMA568の主なターゲットは、“スーパーフォン”とも呼ばれるハイエンドのスマートフォンだと考えている。優れた競合製品も市場には存在するが、TureTouch Gen5の性能は、競合品をしのぐレベルにあることは間違いない」と自信をのぞかせた。
サイプレスは2013年12月末までに、TMA568で、浮かした指での入力を検出する「ホバー検出」や顔近接検出、手袋をしたままの指でも検出する「グローブ検出」といった機能を正式サポートしていく方針。さらに既に量産済みの第1弾製品でもスタイラス入力、ホバー、グローブ、顔近接といった検出機能を2013年内にサポートするという。
2013年10月1日付でサイプレス日本法人(日本サイプレス)の社長に再就任した吉澤仁氏は、「ここ数年、日本でのビジネス規模は伸び悩み、TureTouch Gen5の前世代製品も決して満足いく結果を得られなかった。ただ、TureTouch Gen5は、全社レベルで注力して開発した製品であり、自信のある製品に仕上がった。日本市場でも、モバイル機器メーカーから好評を得ており、デジタルカメラやOA機器、産業機器などの市場でも採用が拡大する見込み。TureTouch Gen5が日本市場で受け入れられ、日本でのビジネスが拡大するという希望と確信を持っている」と、TureTouch Gen5に期待を寄せた。
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