サイプレス セミコンダクタは、1ポート当たりのI/O数を2倍に拡張するShared Link機能などを備えたUSB3.0ハブコントローラIC「EZ-USB HX3」を発表した。
サイプレス セミコンダクタは2014年3月14日、1ポート当たりのI/O数を2倍に拡張するShared Link機能や、ホストがなくてもデバイスの充電が行えるGhost Charging機能を備えた多機能なUSB3.0ハブコントローラIC「EZ-USB HX3」を発表した。ノートPCをはじめ、PCタブレット端末のドッキングステーションやモニター、デジタルテレビ、プリンタ、サーバなどの用途に展開する。
サイプレスは、USBに関するデバイスの販売に注力し、これまでもUSB1.0/1.1世代からホスト/デバイスコントローラをはじめ、ハブコントローラ、ブリッジICなどを製品化。「USB関連デバイスの累計販売個数はトップ」(サイプレス)と主張する。
最新のUSB規格であるUSB3.0世代でも、デバイスコントローラ「EZ-USB FX3」やストレージコントローラ「EZ-USB FX3S」などを展開している。
新製品EZ-USB HX3は、サイプレスとしては初のUSB3.0対応のハブコントローラだ。現時点でのUSB3.0ハブコントローラの製品化は、競合に比べ決して早いとはいえず、サイプレスも「後発」と認める。ただ、後発の分だけ、先行する競合品にない機能、特長を多く備えた。
その代表的機能が、Shared Link機能だ。EZ-USB HX3は、4ポートハブだが、Shared Link機能を使えば、最大8ポートに拡張できる。ただ、Shared Link機能を使ったポートは、接続機器の取り外し/取り換えができないノンリムーバルとしての接続に限られるが、「USBを機器内部バスとして使用するケースは多く、Shared Link機能は重宝されるだろう」とみている。
また先進機能として、USBホストが存在しない場合でも、ハブからデバイスに電源供給できるGhost Charging機能を搭載した。例えば、ノートPCのドッキングステーションにEZ-USB HXによるUSBハブ機能を持たせた場合、ホストであるノートPCをドッキングステーションを取り外した状態でも、ドッキングステーションに接続したスマートフォンへの給電を継続できるようになる。
Accessory Charger Adaptor Dock(ACA-Dock)機能を搭載し、USB On-The-Go(OTG)ホストを使って、デバイス側からホスト側へのアップストリーム給電も行える。なお、同社によると、「SuperSpeed USB対応USB 3.0ハブ コントローラとして業界初のACA-Dock機能搭載」としている。
EZ-USB FX3には、ポート数や搭載機能の異なる複数の製品種があり、Shared Link機能を備えた4ポートハブ搭載品「CYUSB3328」や個々に電力制御が可能な4つのポートを備えた「CYUSB3314」、ベーシックな4ポートハブ品の「CYUSB3304」などがある。またこれらの製品に応じた開発キットも用意している。CYUSB3328を搭載した開発キットの価格は、124.99米ドルとなっている。
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