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光と振動の2入力対応品やMPPT対応品――スパンションが環境発電用ICを発表スパンション MB39C811など

スパンションは2014年6月、光や熱、振動などのエネルギーを電力に変換する発電素子に対応したエネルギーハーベスト(環境発電)用電源IC(2製品)を発表した。

» 2014年06月06日 14時40分 公開
[EDN Japan]

 スパンションは2014年6月6日、エネルギーハーベスト(環境発電)用電源ICの新ファミリ(2製品)を発表した。光発電素子と振動発電素子の双方を接続できる2入力降圧型製品と、最大電力点追従制御(Maximum power point tracking/以下、MPPT)機能を搭載した昇圧型製品がそろう。

 新ファミリは、光や熱、振動といった身の回りの自然エネルギーを電力に変える環境発電素子から出力される電力を、マイコンや無線ICなどのデバイスを動作できる電力に変換、安定化させる環境発電用電源ICだ。

光+振動対応のMB39C811

 新ファミリ2種のうちMB39C811は、環境発電素子として、太陽光や室内光から発電する光発電素子と、振動から発電する振動発電素子の2つの発電素子からなるハイブリッド構成のシステムを想定して開発された2入力対応の降圧型電源ICだ。静止電流の1.5μAに抑えながら、出力電力のレギュレーションを実現する。またデュアルブリッジ整流器を備え2次元の振動環境発電が利用できる。入力電圧範囲は2.6〜23V。出力電流は最大100mA、出力電圧は1.5〜5.0Vの範囲のプリセット電圧(8段階)から選択できる。パッケージは6.0mm角サイズのQFN40を採用している。

「MB39C811」のアプリケーション概念図 (クリックで拡大) 出典:スパンション

MPPT機能搭載のMB39C831

 もう1種のMB39C831は、光や熱から発電する素子に対応する製品として開発。最大の特徴は、温度や照度によって常に変化する発電素子からの発電量に応じて、電圧を調整し最大電力量を取り出すMPPTを搭載した点。より高効率に電力回収が行える昇圧型の電源ICとなっている。起動時最小入力電圧は0.35Vで、動作入力電圧範囲は0.30〜4.75V。入力ピーク電流制限は200mA。出力電圧調整範囲は3.0〜5.0V(6ステップ)。パッケージは、QFN40となっている。

「MB39C831」のアプリケーション概念図 (クリックで拡大) 出典:スパンション

エネルギー収支計算機能付き設計ツール提供

 いずれの製品も、「省電力性が求められる産業やコスト重視のアプリケーション用の超低消費電力マイコンである『FM0+』とシームレスに動作する」(スパンション)という。またスパンションでは、エネルギー収支(Energy Budget)を計算するエネルギー計算機能を備えたオンラインデザインツール「Spansion Easy DesignSim」を提供。「新製品と(同ツールの)エネルギー計算機能を併用することで、さまざまなアプリケーションに向けて、環境に配慮したデバイスの開発が可能になる」としている。

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