誘電分極Pは分極率χ(=εrー1)を用いて表すとP=ε0χEですが、
局所比誘電率εrLはPが非線形ですから、
となります。つまり図7、図8の曲線の傾きが比誘電率εrに関係し、垂直に近いほどεrは大きくなります(添え字Lは局所値を表します)。
今回は急遽、誘電体について説明をさせていただきました。次回は第1回に引き続いてセラミックキャパシターの構造の説明を行うとともに製造工程について説明をしたいと思います。
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加藤 博二(かとう ひろじ)
1951年生まれ。1972年に松下電器産業(現パナソニック)に入社し、電子部品の市場品質担当を経た後、電源装置の開発・設計業務を担当。1979年からSPICEを独力で習得し、後日その経験を生かして、SPICE、有限要素法、熱流体解析ツールなどの数値解析ツールを活用した電源装置の設計手法の開発・導入に従事した。現在は、CAEコンサルタントSifoenのプロジェクト代表として、NPO法人「CAE懇話会」の解析塾のSPICEコースを担当するとともに、Webサイト「Sifoen」において、在職中の経験を基に、電子部品の構造とその使用方法、SPICE用モデルのモデリング手法、電源装置の設計手法、熱設計入門、有限要素法のキーポイントなどを、“分かって設計する”シリーズとして公開している。
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