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» 2024年02月08日 10時00分 公開

ダイナミック回路とスタティック回路の内部構成と仕組みQ&Aで学ぶマイコン講座(89)(4/4 ページ)

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ダイナミック回路とスタティック回路の使い分け

 最近のマイコンなどの集積回路では、プロセスの微細化が進み、論理規模による回路面積への影響が少なくなりました。CPU*1)や通信回路*2)、タイマー*3)などでは、論理規模が多少大きくてもスタティック回路が用いられています。しかし、メモリの出力回路やデコーダーなどでは入力信号が多いため、ダイナミック回路が用いられています。

 ダイナミック回路が使われているモジュールには、以下のようなものがあります。

  1. メモリのデータ出力部
  2. デコーダー
  3. マルチプレクサ(Multiplexer:多重器)
  4. A-Dコンバーターのサンプリング回路

 マイコンに搭載されているフラッシュメモリなどのメモリ容量は、年々大きくなっているため、メモリのデータ出力部にはダイナミック回路が使われています。デコーダーやマルチプレクサなどで、入力数の少ないものにはスタティック回路が使われていますが、入力数が多くなるとダイナミック回路が使われます。

 特殊な例として、A-Dコンバーターのサンプリング回路*4)があります。被測定電源からマイコン内部のコンデンサーを充電して電荷を保持し、その電圧を変換するため、ダイナミック回路といえます。

(*1)マイコン入門!! 必携用語集(3):マイコンの中枢「CPU」とは
(*2)Q&Aで学ぶマイコン講座(81):USARTって何?(非同期式/同期式のシリアルインタフェース)
(*3)マイコン入門!!必携用語集(12):「クロック」数えて「パルス」を操る――タイマーの基本機能
(*4)Q&Aで学ぶマイコン講座(12):サンプル&ホールド型A-Dコンバータのサンプリング時間はどうやって決めるの?

ユーザーの使い方への影響

 ダイナミック回路とスタティック回路は、マイコン内部の回路方式なので、どちらの回路が使われていても、ユーザー側で気にする必要はありません。使用上の注意もなく、信頼性の考慮も不要です。

 一方で開発者は、マイコンの開発段階においてどちらの回路を使用するか十分に検討しなければなりません。ダイナミック回路を使用する場合は、寄生容量が十分か、専用のコンデンサーは必要かといった点を検討するとともに、クロストークが起きないように、設計ツールにおける自動配置配線の際に、制限事項を設けて設計するといったさまざまな注意点をクリアする必要があります。

Q&Aで学ぶマイコン講座:過去の質問一覧はこちら

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