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電磁気学入門(11)フライバッククランプ回路と関連の損失DC-DCコンバーター活用講座(54)(2/2 ページ)

» 2024年06月26日 10時00分 公開
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 スナバダイオードは、電力消費を低減するために超高速リカバリーパワーダイオードである必要があります。抵抗は一般に薄膜パワー抵抗を使います(巻線抵抗は生来の高いインダクタンスをもっているため、不要な作用を誘発するので避けるべき)。DC許容電力定格だけではなく、パルス電力損失定格が妥当であることをチェックしてください。クランプ抵抗とダイオードは通常、高温にはなりません。個々の部品定数は調整が必要で、それぞれの動作温度定格内で使う必要があります。

PCB配線の注意点

 PCB配線もインダクタンスを最小に保つため、重量と厚さが必要です。クランプ回路で発生する熱(100℃前後の可能性)が銅箔配線を伝わりトランスに至らないように注意する必要があります。一例ですが、ある設計において、トランスのある一点に説明が付かないホットスポットが発生したことがあります。引き続き試験を実施した結果、当初考えた巻きパターンの不良が原因ではなく、表面実装のクランプダイオードが原因であることが判明しました。この問題は、ダイオードをスルーホールタイプに変更し、スペーサを使い基板から離して実装する(図2)ことと、放熱を分散するため複数のパワー抵抗を並列に使うことで解決しました。

<strong>図2:放熱を促進するためにクランプダイオードをPCBから離して実装</strong> 図2:放熱を促進するためにクランプダイオードをPCBから離して実装

⇒「DC-DCコンバーター活用講座」連載バックナンバーはこちら


執筆者プロフィール

Steve Roberts

Steve Roberts

英国生まれ。ロンドンのブルネル大学(現在はウエスト・ロンドン大学)で物理・電子工学の学士(理学)号を取得後、University College Hospitalに勤務。その後、科学博物館で12年間インタラクティブ部門担当主任として勤務する間に、University College Londonで修士(理学)号を取得。オーストリアに渡って、RECOMのテクニカル・サポート・チームに加わり、カスタム・コンバーターの開発とお客様対応を担当。その後、オーストリア、グムンデンの新本社で、RECOM Groupのテクニカル・ディレクタに就任。



※本連載は、RECOMが発行した「DC/DC知識の本 ユーザーのための実用的ヒント」(2014年)を転載しています。

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