メディア

熊本の大雨で水没した愛車のバッテリー充電にトライしたWired, Weird(2/2 ページ)

» 2025年10月28日 10時00分 公開
前のページへ 1|2       

基板を改造!愛車の復旧は無理でも、充電器は……

 充電器の修理のためにトランスを外して電源基板を追加し、充電器の基板の回路を確認した。図4に示す。

<strong>図4:充電器の基板の回路</strong> 図4:充電器の基板の回路[クリックで拡大]

 図4左は改造した充電器の基板だ。充電基板のダイオードブリッジを外し、12V8A電源基板を接続した。なお、電源基板は出力電圧がDC13.4VになるようシャントレギュレーターのGateとAnode間に抵抗を追加し改造した。バッテリー充電器にAC100Vを通電し、12V出力に5Ωの負荷を接続して動作を確認した。図5に示す。

<strong>図5:バッテリー充電器に通電し動作を確認した</strong> 図5:バッテリー充電器に通電し動作を確認した[クリックで拡大]

 図5左は通電確認したもので、赤色の電源灯が点灯した。また電流ゲージも約3Aを表示した。これで充電器の修理は完了だ。愛車の復旧は無理だったが充電器だけは修理できた。

 車がないのに充電器やバッテリー回復基板は必要ないかもしれないが、そのうち使うことがあるだろう。

愛車との別れ……得た経験は残る

 その後、バッテリーを充電できないまま、車を搬出することになった。搬出業者の作業をしっかりと確認した。まずは車のハンドルのロックの解除方法だ。搬出業者は専用の治具(バッテリーに配線をつけたもの)を車のバッテリーに接続した。その際に車のハザードランプが点滅し、ハンドルのロックは解除できた。その数秒後、例のうなるような音が出始めたので、業者は治具を外した。次にパーキングブレーキを解除し、車はバッテリーの力でゆっくり動き始めた。水没した愛車は道路へ移動し、レッカー車へ乗って、修理会社へ無事に搬出された。図6に示す。

<strong>図6:レッカー車に乗せられ、修理会社へ搬出された愛車を見送った</strong> 図6:レッカー車に乗せられ、修理会社へ搬出された愛車を見送った[クリックで拡大]

 今回の水没事故でいろいろな経験ができた。水没車のバッテリー充電は大きな電力でないと動作しないことや、水没した車の出し方等の実際の現場の仕事を見ることができ、貴重な経験になった。車が修理できれば最善だが、完全水没では望むべくはないだろう。

 これまで世話になった愛車を見送った。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

特別協賛PR
スポンサーからのお知らせPR
Pickup ContentsPR
Special SitePR
あなたにおすすめの記事PR

RSSフィード

公式SNS

EDN 海外ネットワーク

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.