充電器の修理のためにトランスを外して電源基板を追加し、充電器の基板の回路を確認した。図4に示す。
図4左は改造した充電器の基板だ。充電基板のダイオードブリッジを外し、12V8A電源基板を接続した。なお、電源基板は出力電圧がDC13.4VになるようシャントレギュレーターのGateとAnode間に抵抗を追加し改造した。バッテリー充電器にAC100Vを通電し、12V出力に5Ωの負荷を接続して動作を確認した。図5に示す。
図5左は通電確認したもので、赤色の電源灯が点灯した。また電流ゲージも約3Aを表示した。これで充電器の修理は完了だ。愛車の復旧は無理だったが充電器だけは修理できた。
車がないのに充電器やバッテリー回復基板は必要ないかもしれないが、そのうち使うことがあるだろう。
その後、バッテリーを充電できないまま、車を搬出することになった。搬出業者の作業をしっかりと確認した。まずは車のハンドルのロックの解除方法だ。搬出業者は専用の治具(バッテリーに配線をつけたもの)を車のバッテリーに接続した。その際に車のハザードランプが点滅し、ハンドルのロックは解除できた。その数秒後、例のうなるような音が出始めたので、業者は治具を外した。次にパーキングブレーキを解除し、車はバッテリーの力でゆっくり動き始めた。水没した愛車は道路へ移動し、レッカー車へ乗って、修理会社へ無事に搬出された。図6に示す。
今回の水没事故でいろいろな経験ができた。水没車のバッテリー充電は大きな電力でないと動作しないことや、水没した車の出し方等の実際の現場の仕事を見ることができ、貴重な経験になった。車が修理できれば最善だが、完全水没では望むべくはないだろう。
これまで世話になった愛車を見送った。
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