WebでこのPCの分解方法を確認したところ、キーボード側から分解すればマザーボードが取り出せることが分かった。手配したジャンク品が届き、再度PCの分解を試みた。ポイントはキーボードの下に隠れた固定ネジにあった。取り出したマザーボードを図4に示す。
図4右ではCPUを外している。右側のコネクターにはDC電源が接続されていた。この状態で再度電源を接続したが、2.5Aと同じ電流でマザーボードが短絡していた。CPUの短絡破損はなかった。残念だが、落札したジャンク品も依頼品と同じ不具合だった。電源入力部の実装部品を詳細に確認した。図5に示す。
図5のICの左側に電源コネクターがある。左図のICはFETチップだった。やはり回路図がないと電流の流れが把握できない。やむを得ず、2.5Aの電流を流したまま発熱する部品を探していたら、右図の上側の『3A3』とシルク印刷された部品が熱くなった。しかし、テスターでこの部品の電圧を測定しても100mV未満だった。なぜこの部品が発熱するかは不明だが、この部品の破損ではないことは分かった。結局、マザーボードの修理は諦めて、依頼者へ修理できない旨の連絡を入れた。
Webの記事にはこのPCのマザーボードの短絡で電源が入らない不具合が多数あった。預かった修理品やヤフオクで落札したジャンク品も同じ故障だった。このPCのユーザーも同様な不具合で困っていることが分かった。
動作不良の原因には設計ミスや実装ミスをうたがったが、原因は解明できなかった。修理は諦めて、PCの基板を元に戻したが、固定ネジの多さにはへきえきした。参考までに背面側のネジの写真を図6に示す。
このPCの分解や組み立てには1時間ほどかかった。分解と組み立て作業には気が抜けず、集中して2回も分解と組み立てを行ったので、だいぶ分解と組み立てのテクニックは上がった。しかし、この状況では、原因調査の満足感はなく疲れだけが残った。
このままでは、修理屋のプライドが許さない。さらにWebを検索したところ、マザーボードの電源短絡を修理した動画が見つかった。続きは次回に報告する。
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