「MN88541」は、RFチューナとOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調回路を各4系統、および誤り訂正用メモリなどを1チップに集積した地上デジタル放送受信フロントエンドLSIである。車載/携帯型AV機器などの用途に向ける。
パナソニックは2013年12月、RFチューナとOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調回路を各4系統、および誤り訂正用メモリなどを1チップに集積した地上デジタル放送受信フロントエンドLSI「MN88541」を発表した。車載/携帯型AV機器などの用途に向ける。
MN88541は、ISDB-TやISDB-Tmm、ISDB-Tsb、DVB-Tといった、世界の主要な地上デジタル放送規格に準拠した受信回路向けLSIである。RFチューナとOFDM復調回路を各4系統分、1チップに集積しているため、このうちの3系統を視聴番組のダイバーシティ受信合成に用い、残りの1系統を中継局サーチに割り当てることが可能である。これにより、移動受信時などでも、より安定した受信エリアを確保することができるという。
また、精度を高めたOFDM復調回路や、モーターノイズを除去する妨害キャンセラ機能などを搭載することで、より高い受信性能を実現している。同社従来製品に比べてISDB-Tフルセグ時の受信感度を約25%改善し、移動時の速度限界を約50%向上した。
さらに、RFチューナは携帯機器向けなどで実績を持つ低消費電力設計技術により、動作電圧の最適化を図った。この技術を用いることで、同社従来製品に比べてISDB-Tフルセグ受信時の消費電力を約40%削減している。消費電力を抑えたことで熱対策用の備品コストなどを低減することが可能となる。
しかもRFチューナは、低雑音LNA設計技術や高調波抑圧ミキサ技術、受信状態に応じてLNAやミキサなどのチューナ回路を最適動作させるデジタルアシスト技術などを搭載することにより、低電圧で動作させても十分な性能を得ることができるという。
MN88541は、外形寸法が13×13mmの169端子FBGAパッケージ品でサンプル出荷を始めている。量産出荷は2014年3月の予定だ。価格は発注数量によって異なり要確認。なお、MN88541は4ダイバーシティ仕様だが、2ダイバーシティ仕様の「MN88541D」も用意している。
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