ロームは、多くの車載マイコンへの電源供給用途に対応する新しいLDO(Low Dropout)レギュレータ製品シリーズ「BD4xxMxシリーズ」を発表した。
ロームは2014年5月16日、車載マイコンへの電源供給に最適化した新しいLDO(Low Dropout)レギュレータ製品シリーズ「BD4xxMxシリーズ」(16種)を発表した。ほとんどの車載マイコンに対応できる仕様、パッケージの製品を取りそろえ、「車載用LDOの世界標準を狙いたい」(ローム)という。既に量産出荷中で、サンプル価格は100円。
新製品シリーズ「BD4xxMxシリーズ」は、“高い汎用性”を目指して開発された車載用LDO製品群だ。ボディ/パワートレイン系マイコン向けLDOとして、最も要求が多い仕様をシリーズとしてカバー。出力電圧3.3V品と5V品のそれぞれで、最大出力電流200mAタイプと500mAタイプを用意し、「9割以上の車載マイコンに対応できるようにした」。
パッケージも、独自の小型パッケージ(HTSOP-J8)をはじめ、車載分野で標準的に使用されているパッケージ種を網羅し、「既存LDOからの置き換えも狙う」(ローム)という。LDOを置き換える場合、パッケージ種が同じ場合でも、通常、電解コンデンサが使用される発振対策/出力変動用外付けコンデンサを変更しなければならないケースが多い。それに対し新製品は回路の工夫により、小容量のセラミックコンデンサでも対応できるため、外付け部品の変更を行うことなく、そのままLDOを置き換えられる。耐圧はいずれの製品も45Vとなっている。
これらの汎用性から新シリーズは、「並列購買や部品の標準化が進む車載市場において最適。世界標準を狙えるLDOシリーズであり、海外市場でも積極的に提案を行う」とする。
ロームでは、車載用LDOとして、BD4xxMxシリーズと同様の高い汎用性を重視したカーインフォテインメントなど車載情報系向けシリーズ「BDxxC0Aシリーズ」や、暗電流を「業界最小クラス」という6μAまで抑えた「BD7xxLxシリーズ」も展開している。なお、BD4xxMxシリーズにも暗電流低減技術を応用しており、「一般的な車載用LDOより半分以下」という40μAに抑えている他、動作時(負荷100mA)の回路電流も「一般品の1/30で、消費電力化に貢献する」としている。
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