インターシルは、最大2mの対象物検出/測距を可能にする、ToFシグナルプロセッシングIC「ISL29501」を発表した。ソリューションの実装面積を低減し、内蔵DSPによるToF計算によって、周辺光の明暗に関係なく最大2mまでの高精度近接検出/測距が可能になるという。
インターシルは2015年10月、外付けエミッタ(LEDまたはレーザー)とフォトダイオードとの組み合わせによって包括的な対象物検出/測距を可能にする、タイムオブフライト(ToF)シグナルプロセッシングIC「ISL29501」を発表した。超小型、低消費電力、高性能などの特長を持ち、IoTを構成するコネクテッドデバイスや、コンシューマ向けモバイル機器、商業用ドローンなどに適しているという。
従来の振幅検出の近接センサーやその他のToFソリューションは、コストや消費電力が高く、2000ルクス超の照明条件下では性能が低下したり、対象物がセンサーに対し垂直でなければ距離を把握できなかったりといった問題を抱えており、小型バッテリー駆動機器では採用できなかった。ISL29501は、ソリューションの実装面積を低減し、内蔵DSPによるToF計算によって、周辺光の明暗に関係なく最大2mまでの高精度近接検出/測距が可能になるという。エミッタとフォトダイオードを自由に選択でき、アプリケーション向けにカスタム化した低消費電力ToFセンシングシステムを構成できるとしている。
さらに、容易にシステム設計できるよう、ISL29501、エミッタ、フォトダイオードを組み合わせたリファレンスデザインを採用。グラフィカルユーザーインタフェース(GUI)ソフトウェアとユーザーガイドを提供している。
ISL29501は、同社のパワーマネジメント技術で消費電力を低減し、バッテリー駆動時間を延長。内蔵のエミッタDACは、最大255mAまで電流をプログラムでき、外付け赤外線LED、またはレーザー光源の駆動に最適な電流を選択できる。それによって、測距、対象物検出、消費電力の最適化が可能になるという。
シングルショットモードでは、対象物の初期検出と近似距離の測定のためのサンプリング期間を定義することで消費電力を低減。連続モードは、測距精度が向上する。システム校正機能を備えており、全温度/周辺光条件下で、外付け部品の性能のバラつきに対応した。40kHzで動作するテレビの赤外線リモコンなどのコンシューマ製品との干渉は、4.5MHzの変調周波数によって防止している。割り込みアラート設定によって、ToF距離ゾーンをユーザーが3つ定義できる。
パッケージは4×5mmの薄型24ピンTQFNで、1000個購入時の単価は4.87米ドル。ISL29501-ST-EV1Zリファレンスデザインボードは、単価250米ドルで提供している。
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