アナログ・デバイセズ(ADI)は2014年5月、高速、広帯域幅を特長とするA-Dコンバータ2種を発表した。いずれも、通信機器をはじめ計測機器、航空宇宙システムなど向けに展開する。
アナログ・デバイセズ(ADI)は2014年5月、高速、広帯域幅を特長とするA-Dコンバータ2種を発表した。いずれも、通信機器をはじめ計測機器、航空宇宙システムなど向けに展開する。
新製品の1つ「AD9625」は、分解能12ビット、サンプリングレート2Gサンプル/秒(2GHz)という広い帯域幅を持ちながら、SNR59dB、SFDR80dBc(1GHz入力時)という広いダイナミックレンジを達成している点が大きな特長だ。さらに、A-Dコンバータだけでなく、2個のデジタルダウンコンバータ(DDC)や2個の数値制御発振器(NCO)を内蔵。広帯域対応、DDCの内蔵により、A-Dコンバータ前段のアナログフィルタや後段のデジタルフィルタを削減することが可能になる。データ出力部のインタフェースは、JESD204Bシリアルリンク(8レーン)を採用している。パッケージは12mm角サイズの196端子BGAを採用している。
もう1つの新製品「AD9680」も、AD9625同様、広帯域対応の高精度A-Dコンバータとして開発した。AD9680は、14ビット、1Gサンプル/秒のA-Dコンバータを2チャンネル搭載。ノイズ密度は、「業界で最も低ノイズ」(ADI)という−154dBFs/Hzを実現した。1GHz入力時のSFDRは80dBcで、SNRは61.4dBとなっている。
AD9680は、「AD9625よりも、広いダイナミックレンジが要求される用途や小型化ニーズの強いアプリケーション向け」(ADI)とし、パッケージは9mm角サイズの64端子LFCSPを採用している。AD9680も、各チャンネルに2つのDDC、4レーンのJESD204Bシリアルリンクを搭載している。「これまで後段のFPGAで実装していたデジタルフィルタを省略でき、FPGAに求められる動作速度要件も緩和されるため、より小規模で安価なFPGAを採用できる可能性がある」という。
いずれの製品も量産出荷中で、1000個購入時の単価は、AD9625が625米ドル、AD9680が584.38米ドルとなっている。いずれも評価ボードも製品化済みで、データキャプチャボードと組み合わせることで、手軽に評価できる環境が整っている。
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