日本テキサス・インスツルメンツの「CC4000」は、GPSを利用して位置や時刻、速度を迅速に計測できる受信ICだ。物流管理や産業用通信機器、スポーツ、ヘルスケアといった幅広い用途を対象にしている。
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は2012年4月、位置測位を実現するのに必要な機能をまとめたGPS受信IC「CC4000」を発表した。「同クラスの製品で最高の初期位置算出時間(TTFF)を実現した」(同社)という。
具体的には、屋外におけるコールドスタート時のTTFFが35秒未満、ホットスタート時のTTFFが1秒未満。また、測位誤差は2.5m未満、タイミング誤差は100ns未満である。対象用途は、物流管理や、ネットワークを介した産業用通信機器(M2M)、スポーツ、ヘルスケア、資源探査など幅広い。
CC4000は、同社にとって第6世代となるGPS関連製品であり、組み込み用途に向けた低消費電力ワイヤレス製品群「SimpleLink」の拡充品という位置付けである。各社のマイコンやプロセッサと組み合せて利用できる。端末/機器の位置や時刻、速度を迅速かつ簡易に検出するための幾つかの機能を搭載した。
例えば「push-to-fix」を使えば、GPIO(汎用入出力ポート)を経由したハードウェア制御のみで、位置、時刻、速度の情報を含む「NMEA(National Marena Electronics Association)プロトコル」の文字列をGPIOから受信できる。また、「watchful-eye」は、端末/機器内のメモリを最適に使用することで、以前にデコード(復調)した衛星軌道情報を自動的に活用し、高速のTTFFを実現する他、総合的な消費電力を抑制する。既に量産を開始しており、評価ボードの参考価格は39.99米ドルである。モジュール品も用意しており、この受信ICの他、EEPROMや水晶発振器、フィルタなどを統合している。
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