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» 2013年05月13日 10時00分 公開

リフローのプロセスを理解すれば、実装不良は防げる!Wired, Weird(4/4 ページ)

[山平豊,内外テック]
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リフローの熱による“熱だまり”

 ここで改めて図6の部品配置を見てほしい。リフロー方向に水平な2個の部品は不良が発生せず、垂直な3個の部品で不良が発生したのは何故だろうか? これはリフローの熱による“熱だまり”が影響していると考えられる。図6にリフロー直後の温度差のイメージを追記したものを図8に示す。

【図8】図6にリフロー直後の温度差のイメージを追記したイメージ

 図8の黄色は少し温度が残っている部分、橙色は温度が少し高い部分、赤色は高温部分である。リフローから遅れて出るリレーの左側に温度が高い部分が残る。ちょうどその部分に不良が発生した3つのリレーのリードがあることが分かる。このリードは配線パターンの熱伝導が高いため、比較的速く冷却される。すなわち、リード近くの封止材は速く固化するため、リードから離れた封止材との間に、硬化の時間差ができる。この時間差で封止材に小さな隙間が生じる可能性が考えられる。図5の写真では、割れの幅が1mmを超え、長さは1cmほどあったが、この部分に小さな隙間が生じれば、基板の洗浄工程でフラックスが溶け込んだ大量の洗浄液がリレーの内部へ入りこみ、リレーの動作不良を引き起こす可能性もある。

 図8では不良が発生した3つのリレーのうち、最も左側のリレー(基板の内側)で不良発生の割合が高く、右側(基板の外側)の不良発生率は低かった。このことからも、リレーのリード近くの封止材とその周囲の封止材の温度差が不良の要因になっていることがうかがえる。

 SMTリレーの封止材がリフロー時に溶け、冷却時に再び固まるというプロセスを理解していれば、リフロー後の急激な冷却が封止部の強度の劣化につながることが推定できる。また実装設計時の部品の配置方向も自ずと決まってくる。つまりリフロー方向と水平方向に実装することで熱だまりを小さくし、急激な基板の冷却でもリレーの封止強度の劣化は小さくできる。部品メーカーと基板の実装メーカーとの情報の共有化を進めれば、実装設計でこれらの不具合をなくすことができる。

リレーメーカーからの予想外の回答

 さて、今回の連載を執筆するにあたり、リレーの封止材は200℃で軟化するかどうかを確認するため、リレーメーカーに問い合わせたところ、予想外の回答があった。「封止材は、耐熱エポキシであり、300℃の高温でも軟化しない」という趣旨の回答だった。メーカーが使用しているエポキシは特殊な材料のようだ。まだまだメーカーとの対話が足りないようである。SMTリレーへのフラックス侵入は、非常に重要な問題であり、さらに詳細に突っ込んで原因を確認した。少し長くなるが、続きは次回に報告する。

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