IDTの第4世代(4G)携帯基地局向けミキサーICは、消費電力を抑えつつ、低歪(ひずみ)特性を実現したことが特徴だ。
Integrated Device Technology(IDT)は2012年6月、第4世代(4G)携帯通信の無線基地局を対象にした高周波ミキサーIC「IDTF1162」を発表した。特徴は、消費電力を抑えつつ、低歪(ひずみ)特性を実現したこと。低消費電力モード時の消費電流は230mA、通常モード時は330mA。ひずみ特性についての指標である出力第3次インターセプトポイント(IP3)は43dBmである(消費電流が330mAのとき)。
既に、特定顧客へのサンプル出荷を始めている。「無線基地局の回路ブロックにおいて、アンテナからDSPまでの完全なシグナルチェーンを業界に提供する当社にとって、戦略的に重要な高周波製品だ」(同社)という。
IDTF1162は、携帯無線基地局の回路ブロックにおいて、受信した信号を2300M〜2700MHzの高周波(RF)から中間周波(IF)に周波数を変換する役割を担う。低ひずみで、相互変調を削減する優れた特性を備えているので、多重キャリヤ、多重モードの4G基地局システムに適している。
競合他社品と比較して、3次相互変調(IM3)ひずみを18dB改善し、同時に消費電力を40%削減した。利得は8.9dB、雑音指数は標準9.9dBである。2つのミキサーを搭載したデュアル品で、携帯無線基地局のダイバーシチシステムに対応した。実装面積は6×6mmである。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.