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150℃で利用可能なショットキーバリアダイオードローム RBxx8

「RBxx8シリーズ」は、順方向電圧を一般的なファストリカバリダイオードと比べて約40%削減したショットキーバリアダイオード。150℃環境下でも熱暴走しないため、車載機器や電源機器に向く。

» 2012年06月11日 19時30分 公開
[EDN Japan]

 ロームは2012年5月、150℃という高温環境下で熱暴走しないことをうたうショットキーバリアダイオード(SBD)、「RBxx8シリーズ」の量産出荷を開始した。整流ダイオードやファストリカバリダイオード(FRD)を採用した場合と比較して消費電力低減が可能だとしており、車載機器や電源機器といった用途に向ける。

 高温環境下でダイオードを使う場合、逆方向損失が放熱を上回り、素子の温度が増加し続ける熱暴走の危険がある。このため、逆電流(IR)が小さく、逆方向損失を小さく抑えられるという特徴を備えた整流ダイオードやFRDが多用されている。しかし、整流ダイオードやFRDは順方向電圧(VF)が高いため、消費電力低減には向かない。SBDは順方向電圧が低いが、高温環境では逆電流が大きくなってしまうという短所があった。

 RBxx8シリーズは、素子に最適な金属を選択したことで、逆電流を従来のSBDの100分の1に抑えた。これにより、150℃でも熱暴走しないSBDとなった。順方向電圧は一般的なFRDと比べて約40%削減した。以上の改善により、整流ダイオードやFRDからの置き換えに向くとした。

 パッケージの種類や順方向電圧の値によって、15品種に分かれる。パッケージは実装面積の小さいTUMD2パッケージなど6種類、耐圧は40V、60V、100V、150Vから選択できる。TUMD2パッケージを採用した「RB558VA150」は耐圧150V、耐電流0.5Aで、順方向電圧が最大0.95V、逆方向電流は最大0.5μA。TO-220FNパッケージを採用した「RB228T100」は、耐圧100V、耐電流30Aで、順方向電圧が最大0.87V、逆方向電流は最大150μA。


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