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未使用GPIO(汎用I/O)の処理はどうすれば良いの?Q&Aで学ぶマイコン講座(5)(3/3 ページ)

» 2014年08月19日 09時00分 公開
[菅井 賢STマイクロエレクトロニクス]
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ノイズのバイパス経路

 ノイズをマイコンの内部に侵入させないためには、GPIO端子の電位を固定して、電位が不安定にならないようにします。万が一、ノイズが入ってきても、電源やGNDが電位を固定しているので、電圧変動が小さくて済みます。また、ノイズを電源やGNDに逃がすことができるので、マイコン内部へのノイズの進入を防げます。

 GPIO端子の電位を固定する為の最も簡単で効果的な手段は、先ほど図1に示した方法になります。

 図1の(a)〜(c)にノイズが入った場合を図4に示します。

【図4】未使用のGPIOの処理例にノイズのイメージを加えた図

 図4(a)と(b)の場合は、プルアップ抵抗やプルダウン抵抗経由でGPIO端子の電位を固定します。ノイズが入ってきても、電源またはGNDに固定されていますので変動しません。大きなノイズが印加された場合、ノイズはマイコンの中には入らずに、電源またはGNDへバイパスされます。

 GPIO端子の電位を固定したり、ノイズをバイパスする効果は、抵抗を介さないほうが高いことは明白です。従って、図4の中では(c)が最もノイズ耐性が高いといえます。ところが、抵抗がないということは、万が一、高電圧のノイズが印加され、かつ、それが長時間に渡った場合に、マイコン内部や電源に大電流が流れることになります。大電流は電気回路の破壊を引き起こす大きな要因になりますので、避けなければなりません。そこで、抵抗を挿入することをお勧めします。ノイズの進入経路に抵抗があると、ノイズの急峻な電圧変動を緩和できます。

 使用する抵抗の値に決まりはありません。ユーザーのシステムの環境に応じて選択すればよいのですが、一般的には10k〜100kΩが使われています。例えば、万一の事故で電源の3Vと短絡した場合、100kΩの抵抗であれば3V÷100kΩ=10μAの、10kΩの抵抗だと3V÷10kΩ=100μAの、電流が流れることになります。ですが、いずれの場合でもマイクロアンペアレベルの電流なので、マイコンにダメージを与えることは考えられません。これよりも高い抵抗値、例えば1MΩレベルの抵抗でも良いですが、電位を固定する力が弱くなるので、耐ノイズ性が落ちることになります。

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