2つ目が消費電力の低減である。SERDESを含むブロックごとのスタンバイモード動作などにより、待機時のスタティック電力を最小64mWに抑えた。動作電圧も従来製品の1.2Vから1.1Vに下げた。これらの改善によって、消費電力は競合の同等性能品に比べて30%の削減が可能になったという。さらに、シングルチャネルの3.25Gビット/秒SERDESで0.25W以下、クアッドチャネルSERDESで0.5W以下と、業界最小レベルの消費電力を達成している。消費電力を小さくできたことで、熱的制約の大きな高密度実装などを可能とした。
3つ目は、機能当たりの集積度を高めたことだ。LUT数が8万5000のECP5ファミリ製品は、チップのダイサイズが7.0×6.6mmと小さく、Cu(銅)ピラーフリップチップ技術と組み合わせることで、外形寸法が最小10mm角のパッケージに収めることができた。小型化を実現したことで、プリント基板の幅が11mmと狭いスマートSFP(Small Form-factor Pluggable)トランシーバへも、OAM(Operation and Maintenance)機能を集約することが可能になるという。同社によれば、競合の同等性能品に比べて、機能当たりの集積規模は最大2倍となる。
ECP5ファミリの主な用途として同社は、小型基地局(スモールセル)や監視カメラなどを挙げた。スモールセル用途では、デジタルフロントエンド(DFE)のASIC/ASSPやアナログフロントエンド(AFE)ICなどとのインタフェース機能や、データパスブリッジ機能を実現することが可能だ。監視カメラ用途では、MIPI CSI-2などさまざまなイメージセンサーとのインタフェースなどに対応することができる。今回、ECP5ファミリに実装できる独自アーキテクチャの32/8ビットソフトウェアマイコン「MICO」を、IPとして用意していることも明らかにした。
なお、ECP5ファミリは近く出荷を開始し、2014年8月より本格量産に入る予定だ。ECP5ファミリに対応した設計用ソフトウェアツール「Lattice Diamond ver3.2α版」の供給も同時に始める。
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