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シリアルタイマーとフォトセンサーの組み合わせ Wired, Weird(2/2 ページ)

» 2014年11月11日 09時00分 公開
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暗い場所で使う受光センサー

 次に暗い場所で使うシリアルタイマーとフォトトランジスタPTの組み合わせの例を説明する。これは夜中に暗い場所で弱い光を受けたとき、表示用LEDを所定時間で点灯させる応用例だ。弱い光ではフォトトランジスタPTは微小な起電力しか出力できない。この場合はPTをシリアルオシレータのどこに接続したらいいだろうか? 皆さんも少し考えてほしい。

 シリアルタイマーには高インピーダンスの回路があり、ここにPTを接続する。高インピーダンス回路はトランジスタQ1のベースだ。ここへセンサーを接続することで大きなゲインを得て、微弱な光(電流)でタイマーを動作させることができた。この応用回路例を図4に示す。

図4 Q1のベースにセンサーを接続した応用回路例

 図4のQ1トランジスタのベース抵抗は1MΩで高インピーダンス回路になっており、この位置にPTを接続する。しかし、PTを直接Q1のベースへ直接接続したらシリアルタイマーが誤動作してしまった。これはPTの漏れ電流が大きいのが原因と思われた。このため10MΩの高抵抗を通してQ1のベースへ接続したら期待通りの動作が実現できた。写真を図5に示す。

図5 10MΩの高抵抗を通してQ1のベースへ接続し期待通りの動作を得た

 図5で基板の直ぐ上にある抵抗が10MΩで、基板上ではQ1のベースに接続されている。この抵抗をフォトトランジスタPTのコレクタへ接続すれば良い。この接続ではQ1のゲインがかなり高いためPTとQ1の組み合わせでかなり敏感に光を感知できた。夜間に部屋を暗くして実験したが、部屋の弱い光でもタイマーが誤動作した。また発光したライトの光がPTに入ってしまうとLEDが点灯しっぱなしになるので、PTにライトの光が入らないように遮光する必要がある。

 なお、この例では暗くなったときに回路に電源を接続する必要がある。つまりもう1つのPTで周囲の明るさを検知し暗くなったときに電源を回路に供給する。この回路はトランジスタとPTと抵抗2本で構成できる。簡単な回路なので、読者にはすぐ分かるだろう。

 この応用例は道路の危険な場所に設置して、夜間に弱い光を検知したときにランプやLEDを点灯させて、危険を知らせる用途には最適である。道路の曲がり角や工事の危険な場所にこの回路を入れた道路標識を設置しておけば、夜間に自転車や歩行者からの弱いライトの光がセンサーに当たったり、車が近づいてヘッドライトの光で標識の周囲が明るくなったときに標識を点灯させ、危険箇所を表示して危険を知らせたりできる。

 この応用例の最大のメリットは省電力を可能にできることだ。タイマー部分の消費電流はゼロに近く、ライトが点灯する時間だけ電力が消費される。このため電池を電源に使っても長期間動作させることができるだろう。

 図5の中央にあるシリアルタイマー基板の拡大写真を図6に示す。

図6 シリアルタイマー基板の拡大写真

 図6で基板のサイズは6mm×9mm程度であり、実装されている部品を回路図と照らし合わせて確認できる。図6で基板の上にある抵抗は10MΩだ。なおこの基板は片面基板で背面には部品もパターンもない。

センサーの組み合わせは、もっとある!

 シリアルタイマーとセンサーの組み合わせで、他にもいろいろな応用例を生み出すことができる。皆さんも身の回りでシリアルタイマーの応用例を考え工作して楽しんでほしい

 次回は、周波数が違う2つのシリアルオシレータの組み合わせた応用例を紹介する。

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